最終更新日
Thu, Mar 13, 2008
「NBAプレイヤーの素顔」

13)不屈の精神
 「男には闘う時がある。」
 1996年のPlayoff Final。Michael Jordanはstomach fluにかかっていた。とてもじゃないが、まともにゲームに出て動ける体ではなかった。しかし、MJがPlayしなければ、常勝Bullsは西のチャンピオンUtah Jazzに栄冠を譲ることになる。MJの体を動かすことができるのは気力だけだった。しかし、病に侵された体力の消耗度はあまりにも速い。4th Quarter、MJは完全に体力を失っていた。コート上で、膝に手をやり、両腕で上半身を辛うじて支え、少しでも休息を取ろうとする。いつものMJとはまるで違う。その時、MJが闘ったのはJazzではなかった。それは自分と時間との闘いだけだった。ゲーム後、MJはこう語った。"I don't want to give up. No matter how hard it was, no matter how sick I was, (no matter how) lower energy I had, I just wanted to give Chicago Bulls, and the City of Chicago my extra efforts."(「俺はあきらめない。どんなに辛かろうと、どんな病に侵されていようと、体力を消耗してようと。俺は、このチームと、シカゴ市民のために、持てる力を出し切りたかったのさ。」)

 2000年のEastern Conference。Allen IversonはSemi-FinalでVince Carterとの一騎打ちを演じた。VCが強烈なダンクを決めれば、AIが猛烈なスピードとフェイクでディフェンダーをかわし、カットインしてゴールを決める。VCが3-pointerを決めれば、AIも3-bomberで返す。4th Quater、この二人だけで、各々のスコアは50点を超えていた。2万人を超す観衆で埋め尽くすアリーナは歴史に残る名勝負に酔いしれる。人間離れした名士の戦いを繰り広げた展開。その裏で、AIは当時、なんと12箇所の怪我と故障を抱えていた。それでも、AIは闘った。彼を支えていたのは、「勝つ」という気力だけだった。VCも気力では全く負けて無かった。しかし、その最後を決めたのは、「時間」という有限の現実だった。最後1秒を切ったところで、ボールはVCに渡る。VCは執拗なディフェンスをかわし、3-point lineからオフバランスでのジャンプショット。ボールは美しい放物線を描いてゴールに向かう。リングに接触。時間が一瞬止まったような状態になった。ボールはリング上をロールしかけるが、バスケットの中を見ることなく、リングの外に出て行った。ゲーム後、AIはインタビューでこう言った。"I am small in size, but big in the heart."(「俺は、体は小さいが、大きなハートを持っているんだ。」)

3メートル以上の成層圏で華麗なプレイを繰り広げるVince Carter
鋼鉄のような体を持つAllen Iverson