最終更新日
Thu, Mar 13, 2008
名古屋市立大生小学校 部活動「サッカー」

期間:平成18年(2006)11月〜平成19年(2007)2月 週1回 計14回

対象:小学4年生〜6年生 男子20名

派遣学生:中京大学体育学部4年 男性

経過

大生小学校から依頼メール
「本校では,部活動としてサッカー部が長年存在していたのですが,指導者がいないということから,存続させるのが大変な状況です。そこで,外部に指導者を求めようと考えました。名古屋市内小中学校対象の制度として外部講師申し込み制度というものがあります。これは,あらかじめ学校がお願いした外部講師を教育委員会に登録すると,謝金をお支払いするというものです。(時間上限,金額上限あり)。しかし,この制度は『学校が外部講師をお願いする』という条件があります・・・」

◎派遣指導者の人選
 名古屋市内在住で、教員志望の体育大学生に決定。

◎大生小学校訪問・打合せ
 本会スタッフ及び派遣指導者が大生小学校を訪問。依頼の内容を確認すると共に、施設・用具等をチェックする。

◎カリキュラム及び指導案作成補助
 全体的なカリキュラムと数回分の具体的な指導案を本会スタッフが作成。派遣学生と協議。

◎指導日及び指導報告
 事前に学生からの質問を受けてアドバイスを行う。実施日当日、学生はファックスにて「指導報告書」を提出。その内容について、本会スタッフと協議し、次回の指導内容に役立てる。

◎月に1回、満足度調査
 担当教諭に満足度調査を行うと共に、児童にはアンケートを実施。両資料を送付いただいて、本会スタッフが内容を検討。派遣学生へのアドバイスに生かす。

◎指導案の作成
 児童との信頼関係ができたところで、派遣学生自身が指導案を作成。本会スタッフが内容を確認・検討し、アドバイスを行う。

◎最終まとめ
 事前の指導案と指導報告書、満足度調査、アンケートを一体として本件についての総括を行う。

派遣学生はサッカーの指導経験はなかったが、体育学部4年生であり、教員採用試験に合格している。
参加者は小学4年生から6年生まで計20名であった。週1回、合計14回指導を行った。
カリキュラム・指導案作成について
 4ヶ月に渡る指導を1ヶ月毎にステージに分けて、各ステージにテーマを設定した。
第1ステージ 基本技術をやってみよう・・・自分とボール
第2ステージ 難しい技術をやってみよう・・・自分とボール
第3ステージ 駆け引きを知ろう・・・自分と相手
第4ステージ ハイレベルなサッカーをしよう・・・自分と味方と相手
 
 *各ステージ名をクリックすると、具体的な指導例が見られます。派遣学生の報告書は右ボタンをクリックしてください。

 しかし、テーマとは別に毎回試合を行うようにし、児童のモチベーションを維持するだけでなく、サッカーという競技の特性に触れる機会を設けた。もちろん技術の習熟度に合わせて試合方法は工夫し、ローカルルールも策定した。

[具体例]
 ウォーミングアップ(あいさつじゃんけん 手つなぎ鬼ごっこ)
 練習項目(ドリブルでぶつかるな! フェイント 1対1)
 試合(月ごとに大生リーグを実施して競い合う)

試合は毎回必ず行うようにしたが、技術の習熟度に合わせ、誰もが楽しめるようにローカルルールを設定した。
「大生リーグ」と名付けたリーグ戦を開催し、月ごとに競わせた。
派遣学生への具体的支援にあたって
 指導実践にあたっては大きく2つの能力が求められる。
 ひとつは「練習メニューを考える能力」、ふたつには「相手とやりとりする能力」である。

 本派遣学生はサッカーの競技経験はあっても、指導経験がなかったため、当初のカリキュラム・指導案は本会で作成した。これにより第1,第2ステージではふたつめの能力である「対象となる児童とのコミュニケーション」能力養成に集中できるようにした。
 児童との信頼関係が出来上がってきた、第3ステージ以降は学生が自身で指導案を作成し、時間の割り振りや伝わり方の見極め、グルーピング等実践していく中で直面する課題について取り組んだ。

技術だけでなく、ルールやマナーも指導場面における重要な要素であった。
派遣学生は週1回しか行けなかったが、部活動は週5日行われていたので、担当教諭との情報交換も大切な仕事だった。
派遣学生からひと言

 この話をはじめて紹介されたとき、おもしろそうだなと思いましたが、うまくやっていけるかなという不安
もありました。なぜなら、私は小中高とサッカーをしてきましたが、実際に子ども達にサッカーを教えた経験は全くゼロだったからです。

 実際に初めての指導をしたときは、とても緊張して、夢中で声を出していました。そのせいか、指導が終わった後は安堵感とともに、どっと疲れがきました。
 指導を進めていく中で、不安が現実になってきました。私の話に耳を傾けず、勝手に動く子どもが出始めたのです。1つの練習がうまくいかなくなると、次の練習もうまくいかず、ささいなことでケンカをする子どもが出てきたりしました。

 そんな練習後にはスポーツ指導者支援協会の伊藤さんに電話で相談しました。伊藤さんはそんな時、いくつかの解決方法を示してくれました。そして、電話で話しているうちに、私自身が自信を持って指導にあたっていなかったという問題点を意識できました。

 それから、堂々と指導することを心がけました。また、指導を重ねていくうちに少しずつ余裕と、周りを見る冷静さを持てるようになっていきました。心に余裕が持てると、練習の中で喜んだり、残念がったり、また無反応だったり、子どもによって様々な反応があるなと気づかされました。また、子どもたちが今、楽しんでるぞという顔つきを見るのは私にとっても、とても楽しいことでした。
 

児童からのコメント 学校からのコメント
4年生:初めてみんなといっしょにやったけど楽しかった。
5年生:今までわからなかったことやできなかったことができるようになりました。今まで以上にサッカーが好きになりました。
6年生:コーチとサッカーができて楽しかった。サッカーのルールがよくわかった。
11月:毎回次の木曜日を待ち遠しく思う児童の声が聞かれます。特にミニゲームが楽しい様子です。
12月:意欲的に取り組む姿が見られます。
1月:今月より5年生中心の活動となりましたが、コーチが来てくれる木曜日は6年生も含め、多くの児童が参加します。
2月:最後までとても楽しく取り組む姿が見られました。

 

 
 
 
sportifblog privacy shotorihiki
sportsrally