最終更新日
Sat, Nov 15, 2008

 インターハイ優勝2回、ウインターカップ優勝1回を誇るだけでなく、WJBLや大学バスケットボール界においても数多くのOGが活躍する神奈川県立金沢総合高校(旧富岡高校)女子バスケットボール部。

 時間やコートなど練習環境に大きな制約を抱える県立高校でありながら、どのようにして全国大会を勝ち抜く力を獲得し、それを30年余にわたって継続できているのか。選手の潜在的な能力を巧みに引き出していく星澤純一監督の「逆転の発想」。3年というスパンで「育成計画」を考え、実施する。その計画の根底にある「フィロソフィー」が明らかになります。

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全2巻 各巻5,880円(税込)

仕様:DVD-R(プレーヤー、パソコン両方で再生可能)、盤面4色印刷、トールケース入り、ジャケット4色印刷

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■ Vol.1 LECTURE
by Hoshizawa Junichi Time:46'50"

 計4時間にわたって行われた講習会『潜在能力を引き出す指導プランニング』をベースに映像構成。星澤監督の指導の根底にある「コーチング・フィロソフィー」が具体的な練習計画を題材に語られます。
 なぜそのように考え、なぜそのように指導するのか。星澤監督ならではの説得力あふれる語り口に魅了されるはずです。そのひと言ひと言は30年以上にわたる試行錯誤の連続の中で見出された実践に裏打ちされています。もちろん指導に完成形はありません。監督自らが言うように日々「変化(修正)」を行っていかざるを得ないのです。長期的な展望と計画のもとで、日々、修正していく姿勢と情熱こそがもっとも重要であるはずです。
 このレクチャー(講習)は全国一を目指す指導者を対象としたものではありません。スポーツの指導を目指す方ならどなたでも必ず参考として欲しい、まさに実践的「指導者」論といえます。明日といわず今日からでも自らを変えていこうという意欲のある方にぜひ目を通していただくことを願います。

◆長期計画
 年間計画ではなく、3年計画を立てる
 勝たせる指導と伸ばす指導の違い
 発想を変えて長期計画を立てることが大切

◆体育館の使用割当
 土日はオールコートをフル活用したいので練習試合をあまり行わない
 練習試合も計画の中に組み込む
 思い切って捨てる大会を選ぶ

◆変化(修正)
 従来のやり方を続けるのではなく、「変化」を察知して計画を立てる
 新しい「知識」がひとつでも入れば、昨日の私とは違う私になる

◆1日の練習計画
 集中力を高めるため、ひとつの練習時間を短く
 競争的な(勝ち残り)練習を取り入れる
 待機しているときも練習する
 練習でビデオ(嘘発見機?)を活用する
 ステージ下(椅子倉庫)でウエイトトレーニング

◆柔軟な練習計画
 1日の練習を変えれば、週の練習計画も変えざるを得ない
 
労を惜しまずに、思いついたことはジャンル別に書き留めることが大切

◆練習訓

◆創意工夫練習ノート

◆選手への声かけ
 誰でもする失敗を私たちはやってはいけない
 悪いときには必ず誰もが反省するが『良いときに気をつけなさい』

◆保護者との関係
 保護者の考え方から変えていく
 『蛙の子は蛙』作戦

◆観察学習を用いる
 技術や能力の現実問題とは別に夢が必要

◆コーチングフィロソフィー
 指導理念:『努力無限、継続は力なり、初一念』
 10分間の練習は10分間『伸びる』

■ Vol.2 PRACTICE
by Hoshizawa Junichi Time:50'15"

 金沢総合高校の練習はたぶん全国どこの公立高校でも行われている練習に近いでしょう。施設的にも体育館の半面、しかもハーフコートしか使えない日がほとんどです。しかし練習を一見するだけで、何かが違うと感じるはずです。
 私たちは金沢総合高校の練習を紹介するにあたり、あえてある1日の練習に絞ることにしました。さまざまな練習を満遍なく撮ることはできませんが、限られた1日のひとつひとつの練習の意味やポイントを深く知ることで、星澤監督の根底にある「考え」を知ることにつながると考えたからです。「練習法」を学ぶのではなく、「練習考」を多くの方々と共有したいと願っています。

◆ウォーミングアップ

1)もらい足
 1種類60秒×6種 計6分
 前向き(前回り・後回り)、後向き(前回り・後回り)、前向き前足、後向き前足

2)三角パス
 1種類30秒×7種×2ヵ所 計7分
 サイドハンドパス(進行方向・逆方向)、オーバーヘッドパス、オーバーヘッドパス(クラッチの上・クラッチの横)、ワンドリブル(パス・バックビハインドパス)

3)レイアップシュート
 1種類30秒×7種×2ヵ所 計7分
 ノーマル、サイドステップシュート(前向き・後向き)、クロスオーバー、ボードを使わないナチュラルスピン、レイバック(右・左)

4)サークル3対2
 2ヵ所 計3分

5)クリスクロスから2対1
 2ヵ所 計4分

6)オールコート
 5線クリスクロスで行って帰りは3対2 計6分

7)4人パスラン
 2ヵ所 各2分 計8分

8)ポジション別1対1
 センター、ガード、フォワード 計15分

9)ハーフ4対4
 ディフェンス勝ち残り1組 計15分

10)チーム練習
 ディフェンス 計10分

11)ハーフ4対4
 ディフェンス勝ち残り1組 計10分

12)リバウンドからの5線
 パスラン5分、わたるプレー5分、フォークorループ5分 計15分

13)オールコート5対5
 パスラン5分、わたるプレー5分、フォークorループ5分 計15分

14)個人練習
 1人or1対1 計20分

15)クーリングダウン 計25分

◆ウェイトトレーニング

◆ビデオを活用した練習

◆選手に求めるものは

神奈川県立金沢総合高校女子バスケットボール部

1976(昭和51)年、前身である富岡高校の創設とともに創部。翌年、星澤純一監督が赴任。数年後には地区予選を勝ち抜いて県大会に進出し、上位をねらえるレベルに達した。1988(昭和63)年インターハイに初優勝し、富岡高校の名前を全国区にした。1998(平成10)年、インターハイで2回目の優勝、ウインターカップ準優勝。学校統合後、金沢総合高校として2004(平成16)年、ウインターカップ優勝。最近20年間で公立高校の優勝は他にはない。学業面でも部員は常に学内トップクラスであり、部員による校内外での清掃活動はつとに有名である。

星澤純一(ほしざわ じゅんいち)監督

1951年東京都生まれ。神奈川県立金沢総合高等学校女子バスケットボール部監督。U-18/U-19女子日本代表ヘッドコーチ、神奈川県バスケットボール協会強化技術委員長。東京教育大学卒業後、昭和61年金沢総合高等学校の前身である富岡高等学校に赴任。以後、県立高校ながら同校女子バスケットボール部を全国屈指の強豪校へと育て上げた。これまでにインターハイ優勝2回、ウインターカップ優勝1回など常に全国大会上位進出を果たしている。人、場所、時間に制約の多い環境の中で、全国レベルの選手を育成する手腕が大きな注目を集めている。世界で通用する選手・チーム作りも視野に入れた今後の活躍が期待される人材のひとりである。

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