最終更新日
Thu, Mar 13, 2008
「真似(まね)から学ぶ」 主体的な学習としての真似
1)「まねる」とは「まなぶ」こと 2)憧れの対象の提示

2)憧れの対象の提示
 指導場面では何はともあれ学習者が主体である。しかし学習目的と内容は指導者の責任で決定すべきあると考える。だからと言って、学習者(子どもたち)が自分たちで学ぶべきことを決定しているという意識を持つようになったとしても、そこに何ら問題が生じるわけもない。指導者が学習内容を暗黙裡に提示しながら、子どもたちにはあたかも自らの力で学習過程を設定したという自覚を持たせることは可能であるからだ。

 その一つのやり方が、真似すべき「憧れの対象」を提示してやることであると思う。憧れの気持ちを持つようにし向けることだ。そうすれば、学習は主体的なものになると期待できる。そこではもはや「やらされている」「強制されている」という感覚を子どもたちが持つことはない。

 身体技能の指導の場においては、子どもに逐一指摘していくよりは、「教えない教え」という考え方を実践していく方が実り豊かな成果を生み出すことがある。子どもたちは強い動機づけに突き動かされて真似しようとしているのであるから、主体的なその真似すべき対象の観察、その上に立った達成課題の設定、そしてその解決方法の工夫、加えてもちろんそのための努力、そうしたことを十分に期待できる。

 傍らでじっと見守ってやることも指導である。子どもが身体技能を習得したと実感できたとき、大きな自信を得ているはずである。他人の力に拠らず、自分の力で成し遂げたと納得できるのだから・・・